「腸内細菌」をテーマに、キヤノン財団初の外部向けの講演会を開催
2月6日(火)、東京・千代田区の富士ソフトアキバプラザ内アキバホールにて、一般社団法人和食文化国民会議(和食会議)との共催で、「和食と健康」~食と腸内細菌研究の新展開~をテーマとしたシンポジウムが開催されました。
キヤノン財団の研究助成プログラムのひとつである「理想の追求」では、毎年研究課題(キーワード)を定めており、2009年から2013年までは、「海」に関する研究、2014年からは「食」に関する研究に対して、研究支援をしています。
キヤノン財団が支援している食と腸内細菌に関する研究は、和食会議が推進している「和食文化の継承」を科学的にバックアップするものであり、今回の共催に至りました。
また、キヤノン財団としては、初の外部向け講演会となります。
当日は、当初の参加予定人数を大きく上回る約200名が参加し、臨時席を出すほどの盛況となりました。
シンポジウムは、和食会議の江原絢子調査・研究部会長のあいさつで開会。また、キヤノン財団の近藤智前事務局長が、キヤノン財団の概要や、キヤノン財団における「食」への取り組みについて述べました。
続いて、キヤノン財団の助成先である3名の研究者が、腸内細菌と食事が健康増進にどのように関わるかについて、科学的なアプローチによる最新の研究成果を発表しました。
医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤純氏は、「食と腸内細菌が織りなす腸内環境の構築と健康長寿社会の実現に向けた挑戦」と題して、油を例に、健康増進における食事や腸内細菌の可能性について、分かりやすく紹介しました。
石川県立大学の栗原新氏は、「腸内常在菌叢の代謝産物の産生に関わる遺伝子の制御による腸内環境の改善」というテーマで、腸内常在菌叢の遺伝子の解明を腸内環境改善に結びつける研究を発表しました。
産業技術総合研究所の辻典子氏は、「小腸と身体に優しい発酵食品」というテーマで、小腸で生きる乳酸菌を多く含む発酵食品を紹介しながら、免疫など健康増進や自然治癒力との関係について発表しました。
最後に行われたパネルディスカッションでは、司会・コーディネーターとして、和食会議の伏木代表理事、パネリストとして、発表者3名が登壇し、ご自身の経験や知見を交えながら、和気あいあいと有意義なやり取りが交わされました。
今後、キヤノン財団は助成研究者による外部向け講演会を定期的に行ってまいります。