「長寿につながる和食」をテーマに講演会を開催
2月4日、東京・千代田区の富士ソフトアキバプラザ内アキバホールにて、キヤノン財団と和食文化国民会議が共催するシンポジウム「和食と健康 2020 春~長寿につながる和食を科学的に再発見する~」が開催されました。
4回目の開催となる今回のシンポジウムは、農林水産省、東北大学、石川県立大学の後援をいただいています。募集開始からあっという間に定員を大きく上回る申込みがあり、当日は大盛況でした。
シンポジウムは、和食文化国民会議の大久保洋子調査研究部会長のあいさつで開会。次に、キヤノン財団の星野哲郎事務局長が、キヤノン財団の概要や「食」の研究への取り組みを紹介しました。
続いて、キヤノン財団の助成研究者2名が、和食と健康というテーマについて、科学的側面から、それぞれの研究成果や最新の知見を発表しました。
石川県立大学の小栁 喬先生は、「伝統発酵食品が育んだ和食文化と、我々にもたらす健やかな未来」というテーマで、「石川県の伝統発酵食品である「かぶらずし」や「なれずし」は、腸内環境を整える乳酸菌が豊富なヨーグルトにもひけをとらない健康有用食品である。」と実物を交えながら紹介しました。また、「乳酸菌を多く含む伝統的な発酵商品が日本人のお腹を元気にしてきたのではないか」と、様々な新しい食品が紹介される一方で食べられなくなってきた伝統発酵食品について、今後、その価値を見直していくことの重要性を語りました。
東北大学の辻 一郎先生は、「和食が心身の健康に及ぼす影響について」というテーマで、先生が宮城県大崎で52千人に実施した栄養摂取・食習慣などと健康・疾病・障害などとの関連を調べるコホート研究の結果から、和食が循環器系疾患や認知症などの抑制につながることをお話しされました。また、キヤノン財団が助成した東北大学都築先生の研究の「日本食の中でも多種多様な食材を摂取している1975年の日本食が、肥満や糖尿病などを予防するなど健康有益性が高く、健康寿命を延ばす」という面白い研究成果も紹介されました。
最後に行われたパネルディスカッションでは、司会・コーディネーターとして、和食会議の伏木亨会長、パネリストとして、発表者2名が登壇。理想的なお出汁の塩分の割合や、ご飯を美味しく食べられる発酵食品について、など身近な話題について盛り上がり、分かりやすいやり取りが交わされました。
これからも、キヤノン財団は助成研究者による外部向け講演会を定期的に行ってまいります。