「免疫力をあげる賢い食」をテーマに講演会を開催
10月13日、京都市の京都産業会館ホールにて、キヤノン財団と一般社団法人和食文化国民会議(以下、和食会議)が共催するシンポジウム「和食と健康~免疫力をあげる賢い「食」を考える~」が開催されました。
キヤノン財団と和食会議は、和食に関する最先端の研究成果を一般の方々に分かりやすく伝えることをめざし、一昨年2月から講演会を開催しています。
5回目の開催となる今回のシンポジウムは、農林水産省、石川県立大学、産業技術総合研究所の後援、文化庁地域文化創生本部の協力をいただいています。
毎回大変多くの聴講者を集める講演会ですが、今回は新型コロナウイルス感染防止策を十分にとったうえで、入場者数は会場定員の1/2以下に抑えて開催いたしました。
シンポジウムは、和食会議の中澤弥子調査・研究部会長のあいさつで開会。続いてキヤノン財団の星野哲郎事務局長が、キヤノン財団の概要や「食」の研究への取り組みを紹介しました。
その後、免疫力を上げる和食について、食の科学を専門とする2名のキヤノン財団助成研究者が最新の知見を発表。
石川県立大学の小栁喬准教授は、「伝統発酵食品が育んだ和食文化と、我々にもたらす健やかな未来」をテーマに、日本、特に石川県の伝統的な発酵食品であるなれずしやかぶらずしなどを題材として、そこに多く含まれる乳酸菌が腸内環境を改善し、免疫を活性化させるという研究成果について発表しました。
産業技術総合研究所の辻典子上級主任研究員は、「腸内環境と身体にやさしい和食~免疫力の育て方~」という演題で、世界的に大腸に比べて研究が進んでいない小腸における腸内細菌について、特に主要な常在菌である乳酸菌が抗炎症、感染抵抗性メカニズムを持ち、さらに全身免疫にも寄与することについて発表し、漬物や味噌などの身近な食品に含まれていることにも言及しました。
和食会議の伏木亨代表理事が司会を務めるパネルディスカッションでは、公演を終えた研究者2名が登壇。腸内細菌や発酵食品と和食との関係、また認知症との関連性にも触れながら、一般来場者に配慮した分かりやすい議論が交わされました。
これからも、キヤノン財団は助成研究者による外部向け講演会を定期的に行ってまいります。
当日の動画は以下で観ることができます。(2020年11月末に公開終了予定)
https://youtu.be/ch7aOSL2s6c