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第13回 研究助成金贈呈式

4月15日、東京・千代田区の経団連会館において、キヤノン財団の第13回研究助成金贈呈式が行われました。研究助成先に決定した15名に対し、同財団の評議員会議長であるキヤノン株式会社 御手洗冨士夫会長から研究助成金贈呈証が授与されました。

御手洗評議員会議長はお祝いの挨拶で「人類が直面する地球規模の課題に立ち向かうため、テクノロジーには大きな期待が寄せられるとともに、新たなイノベーションが強く求められています。難関を突破して採択された研究者の皆さんの、益々の活躍を期待しています。」と研究者への祝福とこれからの期待を語りました。続いて、吉川弘之理事長は、「人類は知識を生み出し、時代を超えてそれを継承してきました。代表的なものが科学であり、その公共的かつ永続的な知識は人類最大の財産ですが、現代の様々な社会課題の克服には、各学問領域の新たな知識への好奇心だけではなく、それを超えた社会的好奇心が重要です。今回採択された研究テーマは、いずれもそうした考え方に立脚した、真に社会に求められる研究です。今後も研究に邁進し、社会課題の解決に貢献されることを期待しています。」と研究者への激励と期待を述べました。

  • 御手洗評議員会議長あいさつ
  • 吉川理事長あいさつ

それから、研究助成プログラム「善き未来をひらく科学技術」選考委員長 大垣眞一郎先生ならびに「新産業を生む科学技術」選考委員長 長田義仁先生から、選考講評と助成先に選ばれた研究者への励ましの言葉が述べられました。引き続き、御手洗評議員会議長から研究助成先に決定した15名の研究者へ贈呈証が授与され、研究者を代表して三重大学 竹本研教授と東京大学 武田俊太郎准教授が助成のお礼と今後の抱負を述べました。

  • 大垣選考委員長講評
  • 長田選考委員長講評
  • 「善き未来をひらく科学技術」
    助成先代表 竹本教授あいさつ
  • 「新産業を生む科学技術」
    助成先代表 武田准教授あいさつ

「善き未来をひらく科学技術」助成先の皆さん

  • 竹本 研 教授(三重大学)
  • 内藤 俊雄 教授(愛媛大学)
  • 長谷 純宏 上席研究員(量子科学技術研究開発機構)
  • 三輪 和久 教授(名古屋大学)

「新産業を生む科学技術」助成先の皆さん

  • 田中 浩揮 助教(千葉大学)
    (東北大学 秋田 英万教授 代理)
  • 遠藤 裕介 室長(かずさDNA研究所)
  • 大澤 毅 特任准教授(東京大学)
  • 奥野 広樹 副部長(理化学研究所)
  • 金沢 貴憲 准教授(静岡県立大学)
  • 岸本 直子 教授(摂南大学)
  • 小山 正平 ユニット長(国立がん研究センター)
  • 杉 拓磨 准教授(広島大学)
  • 須田 理行 准教授(京都大学)
  • 武田 俊太郎 准教授(東京大学)
  • 三宅 丈雄 教授(早稲田大学)

贈呈式の最後に「室温で駆動する単分子不揮発性メモリへの挑戦」の題目で、第7回「産業基盤の創生」の研究助成先でもある、広島大学 西原禎文教授による招待講演がありました。「世界中で扱うデータ量が増大する中、不揮発性メモリの記録密度は限界に近付いています。キヤノン財団の助成を受け、単分子でメモリ特性が得られる材料を作ることに世界で初めて成功しました。これは従来の1,000倍の高密度化と、DRAM並みの高速駆動が可能なメモリ材料であることも判りました。助成終了後、社会的にも大きな反響を得られ、さらに多くの資金を獲得し研究を続けています。今後、この材料の特性を活かした新しいメモリをオールジャパンで作り、不揮発性メモリの新たな市場を開拓したいと考えています。」と採択された当時のエピソードや素晴らしい研究成果、その後の進展などを熱く語り、新たに採択された研究者に大きな励みとなる講演となりました。

  • 西原禎文先生招待講演
  • 西原禎文先生招待講演

贈呈式終了後の懇談会では、研究者の方々を中心にして、財団役員や選考委員との活発な交流が行われ、盛況のうちに閉会しました。

  • 懇談会の様子
  • 懇談会の様子