第14回 研究助成金贈呈式
4月21日、東京・千代田区の経団連会館において、キヤノン財団の第14回研究助成金贈呈式が行われました。研究助成先に決定した14名に対し、同財団の評議員会議長であるキヤノン株式会社 御手洗冨士夫会長から研究助成金贈呈証が授与されました。
御手洗評議員会議長はお祝いの挨拶で「いずれの採択テーマも独創的で意欲にあふれ、イノベーションが期待できるものばかりです。研究者の皆様には、地球温暖化や資源の枯渇、少子高齢化や格差問題など、地球規模で対処しなければならない様々な課題を解決するために、幅広く叡智(えいち)を結集して、前例にとらわれず革新的な研究にチャレンジしていただきたいと願っています。」と研究者への祝福とこれからの期待を語りました。続いて、吉川弘之理事長(代読)は、「今回採択された多くの研究が、難しい問題を複数の共同研究者との俯瞰的研究として計画されています。狭い科学技術のテーマで新しい研究というのでなく、複数の分野の研究者たちが、大きな目標を掲げ、難しい社会課題に新しい知的好奇心を持って挑戦する考え方を持っていることがわかり、非常に心強く感じました。今後も研究に邁進し、社会課題の解決に貢献されることを期待しています。」と研究者への激励と期待を述べました。
- 御手洗評議員会議長あいさつ
それから、研究助成プログラム「善き未来をひらく科学技術」選考委員長 大垣眞一郎先生ならびに「新産業を生む科学技術」選考委員長 長田義仁先生から、選考講評と助成先に選ばれた研究者への励ましの言葉が述べられました。引き続き、御手洗評議員会議長から研究助成先に決定した14名の研究者へ贈呈証が授与され、研究者を代表して埼玉大学 高橋 朋子助教と東京工業大学 川那子 高暢助教が助成のお礼と今後の抱負を述べました。
- 大垣選考委員長講評
- 長田選考委員長講評
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「善き未来をひらく科学技術」
助成先代表 高橋助教あいさつ -
「新産業を生む科学技術」
助成先代表 川那子助教あいさつ
「善き未来をひらく科学技術」助成先の皆さん
- 井上 治久 教授(京都大学)
- 高橋 朋子 助教(埼玉大学)
- 深見 真紀 部長(国立成育医療研究センター)
「新産業を生む科学技術」助成先の皆さん
- 江藤 浩之 教授(京都大学)
- 岡村 好子 教授(広島大学)
- 加藤 英明 准教授(東京大学)
- 川那子 高暢 助教(東京工業大学)
- 齋尾 智英 教授(徳島大学)
- 柴山 茂久 助教(名古屋大学)
- 島田 緑 教授(山口大学)
- 関口 寛人 准教授(豊橋技術科学大学)
- 冨樫 庸介 教授(岡山大学)
- 山田 鉄兵 教授(東京大学)
- 若山 裕 グループリーダー(物質・材料研究機構)
贈呈式の最後に「第二世代多孔体の開発:物質と空間のテクトニクス」の題目で、第5回「産業基盤の創生」の研究助成先でもある、名古屋大学 卓越教授 山内 悠輔様による招待講演がありました。先生は、「キヤノン財団の助成をきっかけに、世界に先駆けて独自の合成法で実現した導電性ナノ多孔体は、「第二世代無機多孔体」として、世界の材料化学の分野で注目を集めています。総額15億円のJST-ERATO山内物質空間テクトニクスプロジェクトでは、有機金属構造体や次世代多孔性炭素材料の微小構造と機能に関する設計理論を新たに構築し、燃料電池の触媒のエネルギー貯蔵などへの応用に期待されています。」と素晴らしい研究成果、その後の進展などを熱く語り、新たに採択された研究者に大きな励みとなる講演となりました。
- 山内悠輔卓越教授招待講演
- 山内悠輔卓越教授招待講演
- 山内悠輔卓越教授招待講演
贈呈式終了後の懇親会では、研究者の方々を中心にして、財団役員や選考委員との活発な交流が行われ、盛況のうちに閉会しました。
- 懇談会の様子
- 懇談会の様子