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「リユニオン2023」を開催

12月15日(金)、東京・中央区のAP日本橋にて、キヤノン財団の助成研究者が一堂に会する「リユニオン2023」が開催されました。

キヤノン財団は、幅広い科学分野の研究者への研究助成を行っており、各分野で活躍する助成研究者のコミュニティを大切にしています。「リユニオン」は、これらの研究者がそれぞれの専門領域を超えて交流することにより、研究の発展、研究者としての活動の広がりを支援する目的のイベントです。

イベント当日は、選考委員・助成先研究者・キヤノン財団関係者あわせて約65名が参加。吉川弘之理事長は開会の挨拶で、「財団設立から十数年を経て、社会課題に対して自主性の強い研究を進めてきた独特の集団がここに生まれてきました。環境破壊や残虐な戦争など社会課題が多い時代において、リユニオンでは、社会のために科学はどうあるべきなのか、科学をどのように使うのかという視点から分野の違う研究者同士、じっくりお話いただき、課題解決のための新しい科学を創り出していただきたい。共同体として活発な議論をしていただくことを期待します」と言葉を述べました。

次に、多方面でご活躍されている、沖縄科学技術大学院大学 教授 北野 宏明先生が登壇。「Nobel Turing Challenge」のタイトルで特別講演を行いました。講演では、「AIの進化としてチャットGPTの次は、自律的に仮説を立てられるものが登場し、2050年までにはAIがノーベル賞クラスの発見をするようになる」と、北野先生ならではの豊富な事例を盛り込みながら、大変興味深いお話を頂きました。

また、北野先生は、キヤノン財団第1回目の採択者でもあります。先生は当時を振り返って、「おそらく科研費などでは採択されなかった研究テーマで、5,000万円で採択していただきました。キヤノン財団は、国の支援から外れるような研究でも金額の大きな助成金を頂ける貴重な財団。助成金をしっかり生かして成果をあげることはキヤノン財団の価値をあげることにもつながります。ぜひこのコミュニティを広げて成果を出してほしいと思います」と、参加された後輩の皆さんに向けて激励のメッセージが送られました。

そのメッセージを受け、リユニオン生みの親である前理事長の生駒俊明先生は、「キヤノン財団は、研究実績がない若手研究者でも、科学のイノベーションを促進するような良いアイデアの研究であればファウンディングする財団です。そのような、科研費とは違う勇気あるポリシーのもとに選考委員の先生方も選考を行っています。北野先生は第1号で期待通りに素晴らしい成果を出してくれました。このポリシーを今後もぜひ続けてもらいたい」と述べられました。

その後、会場を移し、21名の助成研究者によるポスターセッションを行いました。これは、分野を超えた研究交流のきっかけづくりのための取り組みとして実施しているプログラムです。ブース毎に各研究テーマのプレゼンテーションが行われ、研究者同士の密な交流が図られました。

引き続き行われた懇親会でも、限られた時間の中で大いに盛り上がり、異分野研究者同士の交流が更に深まりました。