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キヤノン財団ライブラリー ダイジェスト
- 【編著者】藤田静雄
- 【執筆者】安坂幸師・安 東秀・伊藤公平・加藤雄一郎・河野行雄・平山朋子・松尾吉晃・松田一成・村越 敬・保田 諭・山本倫久
AIやIoTそしてビックデータの有用性が高まっている現代は膨大なデータを処理できる情報処理技術に強く依存しています。
それを支える半導体技術を支えたシリコン半導体も18か月で集積回路の集積度が2倍になるという「ムーアの法則」の限界に近づき、次世代技術に向けて新たな方向に舵を切るパラダイムシフトが不可欠となっています。
シリコンに代わる次世代材料として今大きな期待を集めているカーボンの最先端の研究動向を分かり易く説明します。
さまざまなカーボン
(京都大学松田一成先生提供)
ナノ炭素材料であるグラフェン(挿入図はフラーレン)とカーボンナノチューブの模式図
フラーレンC60分子(a)C70分子(b)C84分子(c)をそれぞれ内包した単層カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡像
キヤノン財団の二つの研究助成プログラムのうちの一つである「産業基盤の創成」からは初の出版となります。
本書は未来社会を支える産業の発展におけるカーボンの果てしない可能性を、キヤノン財団が支援する研究者11名が3つのフィールドから解説します。
第1章:
環境に寄与する
カーボンが貴金属を代替する
カーボンに水素を貯める
ナノ炭素材料を利用した高性能太陽電池
第2章:
暮らしに寄与する
カーボンで安全を守る
ナノカーボンを観ながら測る:カーボンナノチューブからの電子放出
カーボンナノチューブから一粒の光を取り出す
ダイヤモンド電子スピン量子センサー
第3章:
産業に寄与する
ダイヤモンドでスピンを観る
カーボンによる摩擦低減技術
カーボンが生む新しい物理:グラフェンバレートロニクス