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キヤノン財団ライブラリー ダイジェスト
- 【研究助成プログラム】第5回:理想の追求(平成26年)
- 【研究テーマ】海洋を漂うプラスミドDNAが生物進化に与える影響
- 【所属機関】富山県立大学 生物工学科
- 【職位/氏名】教授 西田洋巳
※所属機関・職位は採択時のもの
環境中にはプラスミドやウイルスを含む多種多様な細胞外DNAが存在している。
細胞外DNAは異種の生物間を伝播し、生命の進化に大きく影響した。
日本酒造りで混入するバクテリアの分析や富山湾の海水サンプリングを行い、DNAシークエンスによって見つかった膨大な未知のDNAを解析する必要性がわかった。
その解明のためにバクテリア細胞を巨大化しDNA注入技術による人工細胞創生に挑戦する世界に先がけた研究である。
バクテリア細胞の巨大化とその細胞へのマイクロインジェクション
巨大バクテリア細胞の膜およびDNAの染色写真
分子生物学は遺伝情報の本体であるDNAがどのような仕組みでRNAが転写され、どのようにタンパク質に翻訳されるか解明する学問です。しかし遺伝情報の発現と機能について多くは分かっていません。本書はDNAシーケンサーの劇的な発展の中で高まる遺伝情報の機能解析、環境中に存在する細胞外DNAが生物進化にあたえた影響の解明が、これからの次世代の研究分野であることを6つの章で紹介しています。
第1章: ”遺伝する”とはどのようなことか
第2章: 遺伝情報の変化から生まれる生物の多様化・進化
第3章: 細胞外DNAの振る舞いを考察する
第4章: 遺伝情報の機能解析の重要性
第5章: 細胞外DNAの解明に挑戦する
第6章: 研究展望