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キヤノン財団、一般向け講演会「こんなことができるんだ! 物質の力で切りひらく未来」を開催

6月25日、キヤノン財団は一般向けの講演会「こんなことができるんだ! 物質の力で切りひらく未来」をオンラインにて開催しました。挑戦的な先進研究を分かりやすく一般の方へ伝え、科学の有用性や社会との関わりを知っていただくという趣旨のもと開催され、多くの視聴者が参加しました。

【講演プログラムと講演者】

  •   講演1:「深海巨大電池~太古の地球に学ぶ未来社会」
    【講演者】中村龍平 東京工業大学 教授
  •   講演2:「未来の不揮発性メモリ ~記録密度の限界を超えられるのか~」
    【講演者】西原禎文 広島大学 教授
  •   講演3:「次世代ナノ物質が創る未来社会 ~原子レベルの精密さの驚異」
    【講演者】加藤雄一郎 理化学研究所 主任研究員
  •   講演4:「磁気を用いた新しい熱エネルギー制御技術」
    【講演者】内田健一 物質・材料研究機構 上席グループリーダー
  • 講演者によるパネルディスカッション(コーディネーター 安藤功兒氏)

講演会ではキヤノン財団の研究助成を受けた4名の研究者より、物質に秘められた驚きの新機能から、未来社会を支える新たな価値を生み出すチャレンジングな研究が紹介されました。

中村龍平氏は、太古の地球テクノロジーを紐解くことから見えてくる未来のエネルギーシステムについて、西原禎文氏は、単分子で従来の1,000倍の高密度化を実現した世界で初めての新材料「単分子メモリ」について、加藤雄一郎氏は次世代コンピュータに使える驚きの新材料「次世代ナノ物質」を創る研究について、内田健一氏は、スピンカロリトロニクスと呼ばれる分野の発展の歴史から最先端研究、将来展望についてそれぞれお話いただきました。

講演の最後では、新産業を生む科学技術の選考委員である産業技術総合研究所 名誉リサーチャー 安藤功兒氏がコーディネーターとなり、パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、チャットで届いた聴講者からの質問について講演者が回答しました。全てに回答できないほど多くの質問をいただきました。会の最後は各講演者より「一生懸命研究に取り組んでいると、周りからも面白いと言われるようになる。面白さが分かってくると研究も楽しくなってきますよ。」「いろいろな可能性を広げるために、いろんな人と話をしよう。」「誰もやったことのない、新しい研究を。」等、これからの日本の科学技術を担う若い世代の方へ向けた熱いメッセージで締めくくられました。


  • パネルディスカッション

講演会後のアンケートでも、幅広い年齢層の方から、「最近の物性物理の一端を覗かせていただき、驚きと未来の日本に少し期待を持てるように感じた」「パネルディスカッションは大変興味深く、面白く、夢膨らむものでした。きっと若い人たちの道標になったと思います。」などのコメントが寄せられ、科学の面白さを感じていただけた様子がうかがえました。

キヤノン財団は今後も、科学の有用性、社会や生活との関わりに興味を持っていただくことを目的として、最新の研究成果を分かりやすく一般の方へとお伝え活動に取り組み、日常生活と密接につながる科学を身近に感じていただくことで科学技術の普及に貢献していきます。
次回の講演会もぜひご期待ください。